『古事記傳』十七之巻つづき

和綴じ本『古事記傳』十七之巻も三十三葉まで進んだ。
 海彦山彦の話の途中である。
 弟の火遠理命(ホオリノミコ)つまり   山佐知毗古(ヤマサチビコ)が、兄から   借りた釣り針を無くした後始末について   書かれている。
 借りた釣り針を無くした方が、後に   色々な助力を受けて豊かになる。
 貸した側の兄の方は、その後   貧乏になっていき、その事(?)を   恨んで弟を攻めていくのだが、   予めこの事を予想した綿津見大神に   策を授かっており、云われた通りに   事を行い兄を従わせた。との事。
 此処の話を理解するのに苦労する。
 何故に、弟の方が優遇されたのか?
 兄の火照命(ホデリノミコト)の   海幸毘古は『元々の釣り針を返せ』   と言ったに過ぎないのに、どの辺が   無体な事とされているのか?
 あるいは、此処の元々の兄と弟の   扱いが入れ替わっているのか?
 山彦と海彦が逆転している?
 綿津見大神に気に入られているのは   海彦では無く、何故山彦の方なのか?
 此の贔屓目扱いは、   何か意図が有っての   事なのだろうか?
 etc.等、昔話として知っている事なのだが   今こうして『古事記傳』を読んでいると   つまらない(?)憶測まで出てきてしまう。